株式会社グルメ杵屋様(以下、グルメ杵屋)は「おもてなしで付加価値の創造を紡ぐ」というグループビジョンを掲げ、中核事業であるレストラン事業ではうどん、そば、洋食、エスニックなどの分野で数多くのブランドを国内外において展開しています。加えて、機内食事業や業務用冷凍食品製造事業、運輸事業といった事業を幅広く運営しています。
- ■社名
- 株式会社グルメ杵屋
- ■雇用形態
- 正社員・アルバイト
- ■業種
- 飲食店および食品店の経営 他
- ■エリア
- 全国
- ■従業員数
- 3198名(連結)
【課題①】エリアごとに採用権限を持ち、採用データのとりまとめが煩雑化
同社は人材の採用や育成にも力を注いでおり、近年において積極的に取り組んでいる課題の一つが店舗の採用業務の効率化と最適化です。
ノーザンライツの提供するワンストップリクルーティング(以下、OSR)を導入する以前、グルメ杵屋ではエリアごとに採用権限を委譲していました。そのため全社を一貫しての求人広告掲載費用の把握や、応募数などの採用データのとりまとめが煩雑化しており、採用活動の効率化を進めづらい状況が続いていました。データ管理の煩雑化が常態化したことによる弊害として、本来注力すべき採用業務の効率化や最適化といったコア業務に取り組む時間が圧迫されていたことが挙げられます。
【課題②】エリアを横断したノウハウ共有がなく、全国で採用困難店舗が頻発
採用データの取りまとめの煩雑化に加えて、エリアや部門を横断した採用ノウハウの共有がなされていなかったことも採用課題の一つでした。その課題の背景には採用活動がそれぞれのエリアで属人化されていたことが挙げられます。こうした背景から、従来のグルメ杵屋では採用のノウハウが蓄積しづらい採用環境であったために、各エリアや店舗では非効率な求人活動を行っていた実態がありました。そうした活動を長年に渡って続けた結果、全国で点在的に採用困難店舗が頻発してしまい、対処するための手間と時間を要していました。
【課題解決・ソリューション】画一的だった採用活動に対し、店舗ごとの採用難易度に合わせた採用支援を開始
グルメ杵屋ではこうした課題の解決を早期に図るべく、採用窓口一元化の取り組みを積極的に行ってきました。
「ノーザンライツさんによる採用支援が開始する以前にも、グルメ杵屋では採用活動の標準化に向け、窓口の一元化を図ったことがありました。しかしながら当時の採用環境や採用権限など様々な要因が重なり、うまく改善を図ることができない結果となってしまいました。」と、営業総務部の大西氏は当時を振り返ります。
2016年秋、グルメ杵屋の抱える課題の解決策としてノーザンライツはOSRの提案を行いました。店舗ごとに求人媒体の発注を都度行っていたことの問題提起をし、「ノーザンライツ採用支援センター」をご提案しました。「ノーザンライツ採用支援センター」とは、お客様の採用実務の効率化や本部の採用実務負荷軽減、採用手法の拡大・成果の可視化といった総合的な支援を行う体制をノーザンライツにて構築することを指します。
大西氏は当時の取引開始に至った要因を次のように説明します。「ノーザンライツさんとの取引につながった最大の要因は、あるWEB求人メディアの費用対効果や成果に疑念を抱えていたところに、ノーザンライツさんが店舗ごとに採用活動の設計を考えてくれるといった提案を頂いたことでした。過去に取り組んだ採用窓口の一元化では、どこか機械的で画一的な採用活動にとどまってしまっていました。しかし、ノーザンライツさんから提案のあった『採用良好店舗には採用業務効率化を図る支援』と『採用困難店舗には個店ごとに調査・分析・対策を行う支援』は画一的ではなく、かつ具体性が高かったことから提案いただいた施策の実行を決断しました。」
ノーザンライツが提供したソリューションとして、各地区のエリア長との密なコミュニケーションによる採用活動のオペレーション最適化が挙げられます。当時は各店舗がそれぞれで採用ニーズが発生した際に求人メディアへの掲載の手配を行っていましたが、ノーザンライツが本部と各地区の間を仲介して、エリア長と緊密にコミュニケーションを図ることのできるオペレーションに変更しました。それに付随して、地区ごとにエリア長が各店舗で必要な不足人員のオーダーを専用システムにて集約し、ノーザンライツが集約したオーダーを基に各店舗の採用を設計する仕組みを導入しました。
ノーザンライツが本部と各エリアを仲介することで採用データの集約が可能となり、採用スコアの可視化を実現しました。それに加えて、月次の定例報告会を設けて集約した採用データの振り返りを行うようにしたことで、従来よりも早く課題把握および改善施策の実施をすることができるようになりました。
【成果】採用課題や問題抽出が可能となり、採用手法の最適化とスリム化を実現
グルメ杵屋ではOSRを導入後、本部とエリアの双方で広範囲に及ぶ様々な効果が得られています。
OSRによる採用活動の成果をあげるために設けた月次定例報告会において採用課題や問題を抽出できるようになったことが、成果を向上させた大きな要因です。業態やエリアを横断した採用スコアが可視化できたことで、求人メディアごとの応募数や採用数のみにとどまらず、エリアや店舗の採用意識への問題提起を定量的に行うことができるようになりました。例えば「応募」から「面接」、その先の「採用」に至るまでの歩留まり数値が可視化されたことで、ある店舗では応募者の対応をタイムリーに対応できていないことが明確になり課題解決に向けた施策を早期に検討、実施が可能となりました。
そうした成果に加えて、長年抱えていた組織構造に起因する採用課題を改善した要因について大西氏は次のように説明します。
「エリアの権限が強く採用活動の効率化・最適化が遅れていたという問題に対して、ノーザンライツさんが各エリアの採用ニーズを本部に代わって取りまとめをしたことで、本部主導で採用活動を進めることができ、より効果的な採用手法を全国へ展開することができるようになりました。」
また、ノーザンライツは各店舗で使用していた求人メディアについてもメスを入れました。「ある求人メディアでは、ノーザンライツさんがメディア運営会社と直接的に折衝を行ってくれたことで特別プランでの広告掲載が可能となりました。求人広告代理店だからこそできる活動を積極的にしてもらったことで、利用する求人メディアのスリム化に成功し、応募単価ならびに採用単価の引き下げに一定の成果を上げることができました。」と大西氏は評価します。
2017年10月のOSRによる採用支援開始から約4年半、ノーザンライツとグルメ杵屋の二人三脚での採用活動が功を奏して、店舗での求職者の未対応率がほぼ0%となるなど、全社での採用意識の向上が成果として現れてきました。店舗でのきめ細やかな応募者対応の重要性や、データを可視化することへの重要性など採用に対する啓蒙活動が全社的に浸透してきたといえます。
採用DXを加速させ、採用活動のさらなる効率化に期待
大西氏は現在の外食産業全体が抱える採用における課題感について次のように説明します。
「外食産業をはじめ、日本の多くの業界で慢性的な人材不足となっており、多くの企業が人材不足に端を発する採用課題を抱えています。当社のような外食産業に身を置く企業は、人件費の高騰を抑制するだけでなく、店舗での応募受付から面接、採用にいたるまでに時間や手間がかかっており、対応するだけで手一杯になりがちです。」
そうした課題に対しグルメ杵屋では、OSRの一環としてノーザンライツが推奨するスピーディーな応募者対応を実現するなど、店舗での採用率を向上させる取り組みを行っていると続けて説明します。
「グルメ杵屋では求職者の方が当社の求人に応募をされる際に事前にアンケートを取っています。店舗の採用条件に合わない場合は、その時点で合否を判別できる体制にしています。こうすることで面接時間の短縮や面接に向けた事前準備が省力化され、店舗での採用活動の効率化を図っています。そうした取り組みに加えて、面接設定対応の改善も実現することができました。これまでは応募があってから電話連絡をとって面接日時を調整していましたが、事前に準備した面接設定スケジュールに対して応募者が希望面接日時を入力するだけの形をとったことで『電話をする』といった手間のかかる調整方法を取らなくて済むようになりました。直近では採用DX活動の一環として、動画面接を取り入れ、店舗で対面面接をしなくても採用の合否判定を行うことのできるシステムも導入しました。」(大西氏)
グルメ杵屋の採用活動における将来の取り組みにおいて、ノーザンライツとの連携に期待をすることがあると大西氏は言います。
「現在、AIを利用したシステムを導入し将来の採用業務のすべてを省力化、効率化していく取り組みに挑戦しています。また、イベント会場の中に位置する店舗のような採用困難店舗にはスポットワーカーを配置することで採用の煩雑化を防ぎ、さらなる採用DX化を推し進めています。こうした当社のシステム内の情報をノーザンライツさんにも共有をすることで、ノーザンライツさんが持つ莫大な情報力と情報分析力をもって当社の採用DXを加速させ、採用課題改善を図ることができるのではないかと期待をしています。」
「ノーザンライツさんと積み上げてきた実績を、アルバイト採用だけでなく中途社員採用の領域においても踏襲し、採用活動において生産性向上を図っていきたいと考えています。今後も採用活動をより省力化・効率化するために新たなシステムの構築をしていきたいですね。」(大西氏)