アルバイト採用
2021.4.14
アルバイト採用におけるDX推進 ~応募数増加傾向なのに採用に繋がらないワケとは?~【セミナーレポート 2021/3/18開催】
2020年は新型コロナウイルスによるビジネス環境の変化が追い風となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)に着手する企業が増えました。そしてその流れは採用領域にも及んでいます。
より多くの企業が変化する採用市場に適応するためにはどうしたらいいのでしょうか?
本テーマでもあるコロナ禍による採用マーケットの地盤を見直す「DX」とは企業や求職者にどの様な影響を与えるのかご紹介いたします。
2021年3月18日に株式会社エスプールリンク様×弊社ノーザンライツ共催にてウェビナーを開催。
株式会社エスプールリンク様はコールセンター事業をはじめとする応募受付代行サービス、面接代行サービスなどを運営されています。
ウェビナーでは、現在のアルバイト・パートの応募~採用の状況と採用決定に繋げるための施策、
春以降の採用活動について参加いただいた採用ご担当者様へご説明させていただきました。
今回はそのウェビナーの様子をレポートにまとめ、お伝えしていきます。
急激な変化の時代において、いかに採用における競争優位性を確立していくかのヒントとなれば幸いです。
2021年の採用マーケットと求職者の動向は?
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大と、2回の緊急事態宣言を経て、採用マーケットに
大きな変動をもたらしているのが【求人応募数】の増加です。
コロナ禍以前と比べると応募数は平均して2~3倍に及んでいます。
しかし一律に増えるのではなく、上昇したり下降したりと、大きな変動がある企業が存在するのも事実です。
それではどのような業種や属性があるのか見てみましょう。
コロナ禍以前と現在で求人活動に変動のある業種と属性
◆応募数・ニーズがUPしている業種
[大幅に求人活動&応募数が減少]
飲食・販売・サービス業界
→緊急事態宣言や各自治体の蔓延処置による営業時間短縮による売り上げの減少
[求人活動増&採用ニーズが高い]
医療・介護/製造・生産/警備/IT/物流
→医療系は感染者対応+通常患者の対応による動員数の増加
→製造・物流は各家庭の自宅待機時間増により全体売上の上昇
◆応募がUPしている属性
・アルバイト/パート層
・高校生
・会社員
今回のコロナ禍において、「高校生」からの応募が一定数集まっています。
逆に、主婦層やフリーター層からの応募は減り「高校生からの応募が増えた」という感触の
企業様が増えたと言います。
「アルバイト・パート」は正社員で働いていた人がコロナ禍により退職し、業種変更をする際に
アルバイトから始める事例や、「会社員」は業績悪化による給与減給・賞与カットにより、
今の仕事に満足できない人がWワークを探している、という傾向があります。
現在は「ぬかよろこび市場」
「求人応募数が2~3倍に増加」
…それなら企業側も想定以上の採用が見込めているのでは??
そう感じた方がほとんどではないでしょうか。
実際は、全体応募の「者」数が増えているのではなく、
一人当たりの応募「社」数が増えているということになります。
ーーーそれによって起こっているのが
→条件不一致(採用率の低下)
☆求職者が仕事内容・業界のことを理解しきれずに応募。企業側とのアンマッチ
→複数内定をもらうため、辞退数も増加
☆複数応募して、採用された中から自分が一番いいと思うものを選びたいという求職者志向
→採用チームのマンパワー不足や個々の採用担当者の能力アップデートが追いついていない
☆人数不足・教育不足のため求職者とグリップが握れず面接確約に繋がらない
緊急事態宣言時と比べ、求人数が一定以上回復傾向にありますが、アルバイト求職者側にとっては未だ「買い手市場」となっており、必要以上に応募をすることで企業にとっては
「連絡が途絶える」「面接に繋がらない」「辞退をされてしまう」等の事象に陥っているケースが非常に多くなっています。
アルバイト採用市場でDX推進は必要?
どうやったら「ぬかよろこび市場」から抜け出せるのか?
それは現在アルバイト・パート採用に関わる多様な分野で「採用DX」が推進されている理由に
繋がります。
ここでは具体的な課題を明確にしたのち、課題に対してどう対策を打っていけばいいかをお伝えします。
一般的なDXの認識の違い
一般的な世間のDX(デジタルトランスフォーメーション)の認識は「ツールを導入する」という
イメージが大きい様ですが、本来は「ITやテクノロジーを使って業務のやり方や組織、
ビジネスモデルなどを変革することで企業の生産性を上げる」ということにあります。
まず第一歩として「採用業務を棚卸し、採用基盤(事業戦略や採用戦略)を整える」
ここからスタートすると良いでしょう。
年間採用費の見直し&求人メディアの置き換えをする
まずは自社が持つ年間予算の中でどのようなプランで採用計画を立てているか、
今後の事業展開を含めて必要な人数がどれだけいるのかを明確にし、上層部と必要人数の
すり合わせをしていく必要があります。
採用手法によって発生する求人広告費は企業毎に全く異なります。
大量枠買い、長期契約を前提に効率化やコストダウンに寄与してきたWEB求人媒体の利用方法の
見直しにチャレンジされている企業が昨今では増えてきており、
結果的には大きく応募数を減らす事なく成果を上げているケースも多く報告されています。
<応募受付代行サービスを利用する>
ウェビナー開催をした株式会社エスプールリンク様の代表サービスでもある
「omusubi(応募受付代行サービス)」はアルバイト採用領域において、様々な業態、エリア、職種の応募者受付対応部分を代行サービスに依頼することで
情報備蓄はもちろん、媒体やシステムに偏らない応募者データを分析することが出来ます。
応募者への接触回率、面接設定率、面接来社率があがり、結果的に採用決定につながった
実績があるので「応募がたくさん来ても対応しきれず取り逃している…」そんな企業様はシステムの導入を検討をしてもいいでしょう。
応募者の質の低下、応募者のミスマッチの防止
<応募フォームの自由質問欄にひと工夫>
応募の最終段階で勤務可能シフトを明確に記載し、求職者の意思確認をすることで
応募後の条件アンマッチを未然に排除することができます。
(例:土日含む週3日勤務、1日7時間、働ける曜日・時間帯に制限はありませんか?、など)
また、資格保持者必須の募集で「無資格の人からの応募を排除したい」時にも有効です。
<求人広告内の情報欄にひと工夫>
[例:週3日のシフトに入れる主婦さんが欲しい→週3日以下はNG、また主婦さん以外は採用しない場合]
仕事内容やキャッチスペースに主婦さんが働きやすい環境が整っているか具体的に明記します。
◆シフトの融通がとれやすいか(休みがとれやすい環境か)
◆必ずシフトに入ってほしい曜日・日数を明記(例:月曜日必須、週3日勤務必須)
◆他の主婦層の割合や同世代の有無
◆具体的にどんな主婦さんが理想か(例:リーダーの役割ができる、同業種の経験がある、等)
応募フォームに必須事項を明記する、または求人広告上で企業が求めているターゲットを明確にすることで、応募後のミスマッチを防ぐことができます。
応募者急増による労務コストを抑えるには
採用成功させることはおろか、応募を獲得することさえも難しいと言われる
人材獲得競争化に置いて、今は応募数獲得の好調期が到来しています。
しかし「応募者が増えれば」=「企業側の対応も増える」。
採用担当が忙しい理由は、応募者管理、応募者対応、社内調整、内定者フォローなど
要因はさまざまあり、求職者からの応募を取り逃がさないためにも、迅速で的確な対応をするにはどうしたらいいでしょうか?
主な対策を3つご紹介致します。
・面接予約機能付き自動化システムの導入 例/チャットbotの活用
・WEB適性診断の導入(アルバイト・パートにも導入が開始されています)
・オンライン面接の導入(リモート面接、録画面接などの活用、評価・質問のAI化など)
<WEB適性診断の活用イメージ>
増えすぎた応募者を事前にフィルタリングするには、Web適性診断を行い企業様が欲しい
ターゲットを面接実施前の一次スクリーニングとして活用することにより、
現場の面接労務コストの削減に繋がります。
(ただし、選考回数が増えるので、一次→二次の際に離脱の可能性あり)
今注目の面接対応システムや方法をご紹介しましたが、これらは現在のコロナ禍においてのみの
施策ではなく、今後世間がどんな状況下であっても労務コストで悩んでいる全ての採用担当者様への手助けになるでしょう。
面接実施前のひと工夫をすることで面接の効率化、優秀な人材との接触、辞退数軽減へと
繋がるのです。
2021年、現在の求職者に響く最適な企業側のアプローチとは
オウンドメディアの普及により求職者の志向は、求人広告に対しての信頼度が薄れてきており、
約80%の求職者が職場環境を知るために求人広告以外の手段(企業HP、SNS、ブログ、クチコミサイトなど)で情報を探しています。
では、企業側はどの様に自社のことを企業側に知ってもらえばいいのでしょうか?
求職者の「求人広告離れ」
求人広告に対しての信頼度が薄れてきていることには理由があります。
・抽象的な仕事内容の紹介
・「アットホーム」「優しく教えます」などのよくあるワードの多用
→求職者はどのような雰囲気か、どのように教えてくれるかまでの詳細を求めている
・表現出来るスペース/量が少ない
上記のような求人広告が多くを占めています。
求人広告だけを見てもその企業のことが充分理解出来ない為、他のオウンドメディアに情報収集を行うのです。
興味がある=応募の「きっかけ」につながる
求職者に興味を持ってもらえるきっかけを作るにはどうしたらいいか?
それは【採用オウンドメディア】の手法を取り入れると良いでしょう。
「業界や職種に興味がありそうな潜在的な求職者に向けて情報を発信をする」ことが有効です。
例えば、自社のHPやATSとは別に、自社の業界の全体像を捉えた記事を掲載し、業界社風・制度・行事・業界の傾向・仕事のやりがいなどを記事に構成します。
第三者目線を取り入れながら、プラス面もマイナス面も赤裸々に伝えることで、
現場にいないと見えない部分の不安を解消しながら少しずつ興味関心を増やしていければ、
昨今の求職者に「自分が働くイメージ」を想像させることができ、採用&定着につながるのではないでしょうか。
業界と求職者の動きは常に変わる、そのための対応力に一押しを
企業様の悩みである「応募がこない」「採用ができない」という声を常に耳にしますが、すぐに給与の水準をあげたり、スタッフの働き方を見直すことは難しいのではないでしょうか。
今回のレポートを振り返り、求職者からの応募→採用までのフェーズを見直したり、
自社HPやSNSの開設の際には内容にこだわってみたりと、これからの課題解決に
有効活用していただければと思います。
今後、DX推進は従来の組織や採用のあり方を大きく変えていくと考えられます。
同業種がどんな手法をしているか?業界全体の採用課題はなにか?求職者は何を求めているか?
常にアンテナを張りながら採用活動をし、「採用決定」につなげていきましょう。