アルバイト採用
2023.11.27
採用活動とは?中堅大手企業によくある採用課題は?
企業の採用担当の皆さんにとって、採用活動は自分達の日々の業務そのものであり、わざわざ「採用活動とは?」なんて考えてこなかった方も多いのではないでしょうか。本記事を通して、改めて「採用活動」について理解を深め、皆さんが抱えておられる採用活動の課題とその解決策についてのヒントをお持ち帰りいただければと思います。
採用活動とは
はじめに、採用活動とな何なのか、どういったプロセスで構成されるのかをご説明します。
採用活動とは
採用活動とは、企業が人材を獲得するために行う一連の活動のことです。一般的に採用活動というと、実際に人員募集をかける工程のみを思い浮かべられがちですが、それは採用活動のほんの一部にすぎません。前後の工程を含め、採用活動は非常に多くのプロセスで構成されます。
具体的には…
・採用計画の策定
・採用手法の選定
・求人作成
・応募受付
・面接
・入社手続き、入社後フォロー
・定着・戦力化
などのプロセスがあります。
企業が採用活動を行う理由
これだけ多くのプロセスを含む採用活動には、当然労力もコストも掛かります。なぜ、企業はそれだけの投資をしてまで採用活動を行うでしょうか。
その理由は、採用活動が企業の持続的な成功・成長のために欠かせないものだからです。適切な人材の獲得と配置は、企業の業績向上や生産性向上などの成果をもたらします。また、多様な人材を組織に取り入れることで、革新的なアイディアや新しい視点を生み出し、市場変化への適応力を高める効果も期待できます。激化する競争の中で、戦略的な人材獲得は企業の生存と発展に直結していると言っても過言ではありません。
事業計画から逆算した採用活動を
人材の獲得が企業の成功・成長に欠かせないものであることから、採用活動は企業の事業計画から逆算して計画・実施する必要があります。事業計画には、企業の中長期的な展望や目標が示され、目標達成に必要な行動計画やリソース配分も含まれます。事業計画から逆算して、いつまでに、どの部門に、どのような人材を、何名配置する必要があるのか等を検討し、採用計画に落とし込み、実施するのです。事業計画に基づいた計画的な人材採用が行われることで、中長期的に描かれた展望や目標の達成が実現可能になります。
現状人員不足に直面している企業ほど、この”中長期的な視点”を忘れないようにすることが大切です。「急に辞めてしまった分の人員を補充しなければ」「現場から人が足りないという声があがっていて…」このような目の前の問題点への対応ももちろん必要です。ですが、長い目で見て会社としてどう成長していきたいのか、そのために必要な採用活動とは?という視点を持って採用活動に取り組んでいきましょう。
採用活動の各プロセス
次に、採用活動のプロセスについて見ていきましょう。
採用計画の策定
前段でご説明したとおり、採用計画の策定は、企業が将来の人材ニーズに備え、戦略的な採用活動を計画する重要なステップです。事業計画やプロジェクトの進捗などを踏まえ、必要な人材の種類や数、採用時期などを決定します。また、企業の成長戦略や文化にマッチする人材を見極め、”採用の質”を高めるための計画も策定されます。
採用手法の選定
企業が求める人材を獲得するうえで、どの採用手法を選ぶのかは非常に重要です。求人メディアへの掲載、オウンドメディア・SNSの活用、リファラル採用、キャリアイベントへの参加など、選択する手法によって応募者の質も数も変わってきます。適切な手法を選択することで、採用活動の効果を最大化し、採用のスムーズな進行を図ります。
求人原稿の作成
求人メディアへの掲載を行う場合は、求人原稿の作成を行います。労働条件を明確に提示することはもちろん、企業が求める人物像や職務内容、やりがい、職場の雰囲気などの働く魅力をしっかり伝えることが大切です。よく見落とされがちなのが、「企業側が伝えたいこと」と「求職者が知りたいこと」が必ずしも同じとは限らないということです。両者の重なる部分を見つけてアピールすることで、企業と求職者の理想的なマッチングを実現することができます。
応募受付
求職者からの応募を受け付け、次の選考へと誘導するステップです。応募から時間がたてばたつほど、応募者の意識が下がってしまったり、同時に検討している他社の選考が進んでしまったりするなど、応募取りこぼしのリスクが高まります。応募を受け付けたら極力時間を空けずに対応し、面接設定をすることが大切です。採用コールセンターを利用したり、応募時に自動で面接設定ができる機能を利用したりするなど、採用担当者が不在の場合でも円滑に応募受付ができる仕組みを整える方法もあります。
面接
面接は候補者と企業がお互いを理解し合うための重要なステップです。採用する企業にとっては、候補者のスキルや適性の見極めだけでなく、相互のコミュニケーションや社風との適合性も確認する場となります。逆に、候補者側からすると、面接での質問内容や面接官の雰囲気等をとおして、企業への理解を深め、志望度を決めていく場でもあります。面接プロセスは、採用された後の従業員の満足度や生産性にも影響を与えます。面接官は候補者との対話を通じて、ポテンシャルやモチベーションを的確に把握し、最終的な採用判断に繋げる役割を果たします。
入社手続き、入社後フォロー
選考が終了し、候補者が内定を受けると、入社手続きが始まります。契約手続きや必要な書類の提出などを含め、新入社員がスムーズに入社を迎えられるようにサポートします。また、入社後は、新入社員が円滑に組織になじめるようなフォローも行います。採用担当者が新入社員と現場スタッフとの橋渡し役を担い、コミュニケーションを促進する役割も果たします。企業によっては入社前・入社時研修や導入プログラムを実施することもあります。
定着・戦力化
新入社員が組織に定着し、結果を出せるようになるためのフォローアップを行います。例えば、教育・研修プログラムや定期的な評価などを通じて、従業員のスキル向上やモチベーションの維持を促進し、組織と個人の双方にとって成果を最大化する等の取り組みを行います。スキルアップのサポートやキャリア開発の機会提供など、スタッフ自身が主体的に成長し組織に積極的に貢献したいと思えるような取り組みや環境づくりが求められます。
採用活動の年間スケジュール
アルバイト・パート採用や中途採用の場合、新卒採用のようにある程度決まった時期に決まった活動をするわけではありません。企業によって採用活動のスケジュールも異なります。スケジュールを立てる際に、押さえておくべきポイントをご紹介します。
アルバイト・パート採用の場合
アルバイト・パート採用の年間スケジュールを立てる際には、ターゲットとなる求職者の仕事探しの傾向や求人数の増減を考慮する必要があります。
春は新しい年度や学期の始まりであり、求職者がアルバイト・パートを探す動きが活発になります。学生は卒業や進級・進学、主婦(夫)層は家族や子どもの新生活スタートによって生活スタイルに変化が生じる時期です。年度はじめという節目から仕事を始めようと動く求職者が多い一方、新しい生活リズムに慣れるまでは先の予定が読みづらく、シフト面での不安を抱えている求職者もいます。柔軟にシフト対応すること等をアピールできれば、求職者も安心して応募ができるでしょう。
夏は学生の長期休暇シーズンのため、リゾートバイトなどの短期アルバイトや季節限定での募集に適した時期です。主婦(夫)は、子どもが夏休みに入ると長時間家を空けられないケースもあるため、短時間勤務などのシフト調整ができるとよいでしょう。
秋になると、学生は学校生活に慣れ、主婦(夫)は子どもたちの授業再開により働きやすくなるため、仕事探しも再び活発化します。
冬はシーズンイベントや年末商戦で多くの人員が必要になることから、先の需要を見越して、秋から採用活動を積極的に進めて備えておきましょう。
中途採用の場合
中途採用の年間スケジュールは、季節や社会的なイベント、求職者の心理状態などを考慮に入れながら、柔軟かつ戦略的に立てることが成功の鍵となります。
◇1月〜4月
新年度の始まりであり、多くの求職者が転職を検討する時期です。企業が採用戦略を展開しやすい時期であり、特に前職の業績評価やボーナスの支給後に転職志向が高まります。また、企業も新たなプロジェクトや計画をスタートさせるため、積極的な中途採用が行われます。
◇5月〜8月
夏季は求職者の活動がやや低調になる傾向があります。夏季休暇やイベントにより、転職活動が滞ることがあります。企業はこの時期に人材プールを構築し、秋以降の採用活動に備える戦略を取ることが重要です。
◇9月〜11月
夏季休暇が明け、新しいプロジェクトや事業の計画が進行する中で、求職者の活動が再び活発になります。特に9月は日本の採用シーズンの始まりであり、新卒採用も進行する時期です。企業は積極的な中途採用を行い、求職者とのマッチングを図ることが求められます。
◇12月
年末にかけては、企業や求職者ともに動きが一段落する傾向があります。ただし、年度末を迎える企業や転職志向が高まる求職者もいます。この時期にも採用活動を進め、次年度の採用計画に備えることが戦略的です。
中堅大手企業によくある採用活動の課題
採用活動の概要について改めてご理解いただけたでしょうか。そのうえで、中堅大手企業が抱えがちな採用活動の課題をご紹介します。
①エリアごとに採用権限を持ち、採用データのとりまとめが煩雑化
大手企業の採用担当者が抱えているのが「エリア(あるいは現場)ごとに採用権限を持っているため、採用データの取りまとめが煩雑化している」という課題です。これは、特に多店舗をチェーン展開している企業に多い課題です。企業が広範囲にわたるエリアや店舗を有する場合、各エリアごとに人事担当者や採用責任者を配置し、そのエリアでの採用権限を委任している場合が多くあります。エリアのことを熟知した担当者だからこそ適切な人材の見極めがしやすい等のメリットもありますが、各エリアが独自の権限で動いているため、本部による各エリアの採用データの取りまとめが煩雑になってしまうというデメリットもあります。結果として、エリアごとに採用プロセスや基準が異なることから、採用活動の全体最適化が難しくなり、企業全体として均一な採用の質も保ちにくくなります。
②求人媒体での集客に依存している
求人媒体である程度の人材獲得ができていたとしても、決して安心はできません。媒体一極集中での採用活動には、潜在的なリスクが潜んでいます。昨今では、仕事を探す求職者側も様々な経路で求人情報にたどり着くことを考えると、求人媒体だけに依存した集客を行っていては、多様な人材層へのアプローチができず”隠れた優良人材”との出会いのチャンスを逃がすことになりかねません。オウンドメディアやSNSの活用など、求人媒体以外の集客軸を持っておくことでリスクを回避することができます。
③社内リソース不足による業務負担の過多
企業によっては、社内のリソース不足により、1名の採用担当者が全業務を担っていたり、採用担当者が採用業務とその他業務を兼任兼務していたりするケースがあります。兼務による負担増は、効果的な選考プロセスの実施に支障をきたします。例えば、求職者からの応募や問い合わせに対してスムーズな対応ができなかったり、DMやスカウトなど企業側から応募者へのアプローチにまで手が回らなかったり、本来注力すべき採用戦略や新しい採用手法の検討ができなかったりするなどの問題が考えられます。このような状況では、企業が求める人材の獲得が難しくなってしまいます。
中堅大手企業によくある採用活動の課題解決事例
では、中堅大手企業によくある①~③の課題に対して、どのような解決策が考えられるのでしょうか。ノーザンライツのOSRサービスの利用による、実際の解決事例をご紹介します。
①エリアごとに採用権限を持ち、採用データのとりまとめが煩雑化⇒本部と各エリアの仲介役を外部に置くことで、採用データの集約が可能に!
大手飲食チェーンA社の解決事例
【課題】
多数の店舗を抱える同社は、エリアごとに採用権限を委譲していました。そのため全社を一貫しての求人広告掲載費用の把握や、応募数などの採用データのとりまとめが煩雑化しており、採用活動の効率化を進めづらい状況が続いていました。データ管理の煩雑化が常態化したことによる弊害として、本来注力すべき採用業務の効率化や最適化といったコア業務に取り組む時間が圧迫されていました。
【解決策】
ノーザンライツが本部と各地区の間を仲介し、エリア長と緊密にコミュニケーションを図ることのできる採用オペレーションに変更しました。それに付随して、地区ごとにエリア長が各店舗で必要な不足人員のオーダーを専用システムにて集約し、ノーザンライツが集約したオーダーを基に各店舗の採用を設計する仕組みを導入しました。
ノーザンライツが本部と各エリアを仲介することで採用データの集約が可能となり、採用スコアの可視化を実現しました。それに加えて、月次の定例報告会を設けて集約した採用データの振り返りを行うようにしたことで、従来よりも早く課題把握および改善施策の実施もできるようになりました。
②求人媒体での集客に依存している⇒採用オウンドメディアの構築が、新たな集客の柱に!
タクシー事業者B社の解決事例
【課題】
以前は人材紹介会社&求人媒体経由からの応募者が大半だったB社。これらからの応募獲得はあったものの、更なる事業拡大に向けた採用強化の必要性を感じておられました。自社サイトを活性化させる為、オウンドメディア化し、広告運用以外での集客の柱をつくることを検討されていました。
【解決策】
ノーザンライツへ採用サイトのリニューアルを依頼。リニューアルには「求人応募時や入社前に会社や仕事に対する理解を深めミスマッチを防ぐこと」「タクシードライバ―という職に対する古い業界イメージの改善」「タクシー乗務員としての多様な働き方に可能性を感じてもらう」という狙いもありました。ヒアリングにより同社の求める人物像を掘り下げ、明確なターゲットを設定。「ユーモアのあるストレスフリーな会社であること」が伝わる構成やコンテンツを盛り込んだサイトにすることで、採用サイトからの応募獲得や自社のブランディング強化にも繋がっています。
③社内リソース不足による業務負担の過多⇒外部委託の活用
アパレルC社の解決事例
【課題】
コロナ禍をきっかけに、社内にて採用部署を含む間接部門の兼務兼任が増加。採用実務の引き継ぎも必要な状況となりました。当時は2名体制でアルバイト・パート採用業務を担当していましたが、兼務兼任が進む中、採用担当者を2名から1名にする必要があった一方で、引き継ぎ先の業務負荷が膨大になる懸念がありました。コロナ禍はあくまで期間限定と判断していた同社は、採用担当者の新規採用に踏み切ることもできない状況がありました。
【解決策】
コロナ禍以前から採用に深く携わってきたノーザンライツへ社内の採用実務の一部を委託。採用実務をアウトソーシングしたことで同社の採用担当者はコアタスクに集中することができたといいます。
押さえておきたい採用活動のポイントとは?
企業によって様々な採用課題があるため、課題に応じた解決策を講じることが大切です。また、課題によらず「まず最低限これだけは押さえておいてほしい!」というポイントもあります。以下では押さえておきたい採用活動のポイントについてご紹介します。
採用ターゲットをしっかり定める
「誰でもいいから来てほしい」では、自社の求める人材の獲得は困難です。求めるターゲット像を具体的に定め、それに基づいて戦略や手法、求人原稿でアピールする内容を検討します。近年、求職者の志向や生活スタイルも多様化しているため、単純な「主婦(夫)」「学生」「フリーター」といいった属性のくくりによるターゲット設定では不十分となってきています。現在活躍しているスタッフを参考にしてペルソナ設計を行うなど、志向性や生活スタイル等も考慮してターゲットを定めることが大切です。
採用プロセスの振り返りとボトルネック解消を行う
採用成功のためには、採用プロセスの定期的な振り返りと改善が重要です。まずは、採用活動のプロセスの中でどの部分に課題があるのかを分析します。選考プロセスのボトルネック(ここが原因で上手く行っていない!という箇所)を抽出し、それに対して改善策を検討・実践することが、より良い採用活動に繋がります。
トレンドの把握
競争が激化する採用市場の中で、良い人材を確保するには、採用トレンドの把握が欠かせません。求職者の考え方や志向、働き方の変化をとらえ、それに合わせた採用戦略をとることが重要になってきます。新しい採用手法やアプローチの導入が効果改善に繋がることもあります。また、新技術やオンライン活用の増加など、新しい働き方への理解を深めることで、今の求職者にあった魅力的な労働環境の構築のヒントを得ることもできます。例えば、以下のようなトレンドトピックが挙げられます。
◆デジタル技術の活用
デジタル技術の進化により、採用プロセスも変化しています。今日では、オンライン面接の導入や選考プロセスの一部を仮想環境で実施する企業も出てきています。これにより、地理的な制約を軽減し、柔軟な採用活動が可能になります。同時に、AIを活用した応募者のスクリーニングや評価も広がりつつあります。
◆SNSやWEBサイトでの情報発信
自社にマッチする人材を採用するためには、企業文化や働く環境に対する積極的な情報発信、社員の声を活用した広報活動が求められます。SNSや企業のウェブサイトを通じて、企業のリアルで魅力的な一面をアピールすることがポイントです。
◆多様性な人材の採用
企業の成長と繁栄には”人材の多様性”も不可欠な要素となっています。企業の採用においても、異なるバックグラウンドや経験を持つ候補者を積極的に受け入れる姿勢が求められています。
◆スキル・資質重視の採用
分かりやすい学歴や資格だけでなく、実践的なスキルや経験を評価する傾向が強まっています。柔軟性や学習意欲、チームワーク能力など、業務に必要な具体的なスキルや資質が焦点となりつつあります。これにより、人材の多様性が増し、柔軟な組織文化の形成が進んでいます。
「こんなことで困ってるんですけど、似たような成功事例・実績ありませんか?」←はじめはこんなご相談から!
本記事では、中堅大手企業が採用活動で抱える課題とその解決策を中心にご紹介してきました。
今回は3つの事例のみのご紹介となりましたが、その他にもノーザンライツには企業の課題に合わせた採用支援実績が多数あります。
【導入事例】
https://www.n-lights.com/case-study/
「OSR(ワンストップリクルーティング)サービスって、パッケージ化された画一的なサービスじゃないの?うちの企業の課題解決には使えないんじゃない?」そんな疑問をお持ちの方も、ご安心ください。OSRサービスでは、企業様の課題に合わせた柔軟なご提案が可能です。まずは「こんな課題があるんだけど…」の話だけでも、お気軽にご相談ください。