採用トレンド
2020.02.17
アルバイト採用率が平均以下の企業様必見!採用率改善のメリットと成功事例をご紹介
アルバイト採用において、自社の採用活動を振り返る上で大切な指標の1つに「採用率」があります。
一般的に、採用率=採用者数/応募者数 で算出されます。
例えば、100人の応募者のうち、20人が採用に至った場合、採用率は20%ということになります。
本記事では、幾つかの事例をもとに、自社の数字を眺めているだけでは分かりづらい「採用率」から見えてくる採用課題と解決のための取り組みについてご紹介します。
「採用率」は各フェーズに分解して読み解く!
採用率の良し悪しを判断する上での大まかな基準に、
「採用率35%以上=優秀ゾーン、15%以下=危険ゾーン」というラインがあります。
ただ、この数字だけを見ていても、次回採用活動への改善ポイントを見出すのは難しいのではないでしょうか。
そこで、採用率を採用活動の各フェーズごとに分解して読み解いてみましょう。
「採用率30%」の中に含まれるものは?
応募者数100、採用者数30。つまり、「採用率30%」の事例で考えてみます。
応募~採用までの間に、選考中の人数が絞られるフェーズとして、
「面接設定(予約)」「面接実施」があります。
これらの実施時点での数字も算出してみると、次のような数字の推移が目安となります。
応募:100 → 面接設定:70 → 面接実施:50 → 採用:30
<この数字が意味するのは…?>
・応募まではしたのに、面接設定に至らなかったのが、30名(=応募―面接設定)。
…応募からの面接設定率=70%
・面接を設定したのにキャンセルなどの理由で実施されなかったのが、
20名(=面接実施―面接設定)。…面接設定からの面接実施率=約71%
・面接で不採用となったのが、20名(=採用―面接実施)。…面接からの採用率=40%
各フェーズでの改善取り組み
さて、先述のように各フェーズに分解してデータを見ると、どのフェーズに課題があるのかが
明らかになります。
それぞれのフェーズに応じて次のような改善取り組みを検討することができます。
(CASE 1)「応募→面接設定」での人数減が多い
考えられる課題:応募したのに企業側の対応が悪い、レスポンスが遅いなどの理由から
面接の約束を取り付ける前に求職者が離脱してしまう。
⇒改善策:採用コールセンターの導入、応募フォームの改善
(応募すると即時で面接設定が完了する仕組み)など
(CASE 2)「面接→面接実施」での人数減が多い
考えられる課題:応募~面接実施までの間隔が空きすぎて、その間に他社の選考が進んでしまったり、求職者の熱意が冷めてしまいキャンセルされる。
⇒改善策:応募後、極力近い日程(3日以内が理想)で面接日時を設定する。など
(CASE 3)「面接実施→採用」での人数減が多い
考えられる課題:面接担当者の主観や採用に対する意識の低さによって、
簡単に不採用にしてしまう。面接実施~合否連絡までの間隔が空きすぎて、
その間に他社の選考が進んでしまったり、 求職者の熱意が冷めてしまい辞退される。
⇒改善策:面接担当者に対するトレーニングによる意識改善、面接実施からの連絡スパンの短縮(場合によっては、即決)など
【参考事例】気になる!他社の採用率は?
本記事を読まれている方の中には、既に採用率を用いたデータ分析をしているという方も
いらっしゃると思います。
それでも、「自社の数字はチェックしているけれど、同じ業界の他社はどんな感じなのかな?」と
他社の状況は気になるのではないでしょうか。
そこで、幾つかの企業事例をご紹介します。
(※各事例で使用している指標には、採用プロセスの違いにより若干差があります。)
「採用率」も「課題」も企業ごとに三者三様。
■飲食チェーン・A社 「注目すべきは面接設定率!」
応募:730 → 面接設定:155 → 面接実施:140 → 採用:105 ★採用率:約14%
⇒面接設定率の低さ(約21%)が見て取れます。
せっかく応募があった求職者への未対応の多さが課題です。
この企業の場合、面接を実施すれば、高い割合(75%)で採用ができていることも
分かります。
採用率改善のためには、スピーディーな応募者対応がカギになってきます。
■アパレルチェーン・B社 「半数近くが面接に進んではいるものの…」
応募:1200→ 面接実施:530 → 採用:150 ★採用率:約12%
⇒A社と比較すると、採用率は低いものの、面接率は48%近くあることが読み取れます。
面接実施からの採用率が約28%と厳しい数値になっていることが分かります。
入社後の育成を見込んだ採用判断、面接実施後のスピーディーな連絡などが、
採用率UPに繋がるかもしれません。
■飲食チェーン・C社 「最終的な入社まで気は抜けない!」
応募:860→ 面接設定:700 → 面接実施:435 → 合格:137 → 入社:85
★採用率(合格数で計算):約16%
⇒面接設定率約80%、面接設定からの面接実施率約62%と、比較的多くの応募者が面接まで
たどり着けていることが分かります。
合格後の最終的な入社数まで見てみると、85名にとどまっています。
原因としては、合格後に最初の勤務日がなかなか決まらず、早く働きたい求職者を
待たせてしまっていること等が考えられます。
■小売販売・D社 「ブランドイメージも大切だけれど…」
応募:180→ 面接設定:110 → 採用:30 ★採用率:約16%
⇒コールセンターを導入しているものの、面接設定率に課題があったこちらの企業。
ブランドイメージに合う人材を採用したいという意向が強く、応募段階で年齢や性別によって
絞り込みをかけてしまうこともあったそうです。
採用のために、「ここだけは」という最低限のラインを見直す必要もあるかもしれません。
このように、採用率やフェーズごとの面接設定率などを算出し
その理由を深堀りしてみることで、課題解決の糸口が見えてくるケースも多いです。
採用率が10%変わるだけで、こんなにメリットが!
本記事で、採用率とは何か、採用率改善につながる取組みにはどのようなものがあるか等をご紹介してきました。
採用担当者の皆様に”採用率”を意識していただきたい理由は、採用率を改善すると、「その先にあるメリット」が非常に大きいからなんです。
例えば、複数店舗を抱える企業で、コスト100万円、応募100名、採用20名(採用率20%)の採用活動を行っていたとします。
同条件で採用率が30%にUPしたと仮定すると…
メリット1)採用単価を抑えられる
元々掛かっていた採用単価5万円⇒約3万3000円に。1万7000円DOWN!
メリット2)充足率UP
元々20名採用のところ、30名(+10名)の採用ができているということは、その分、店舗の人員充足率もUPします。十分な人員で余裕をもった店舗運営ができるので、従業員の満足度UPにもつながるかもしれませんね。
メリット3)採用費削減
充足率がUPすれば、その分、次回の広告出稿費など求人コストも少なく抑えることができます。
このように、採用率を改善することが、採用活動にかかる人件費や広告費の削減にもつながります。その分の資金を新しい仕組み作りに投資したり、働きやすい環境づくりに充てたりするなど、本来力を入れたい活動に使うことができるのです!
これまで「応募数」や「採用数」だけを見ていた方も、「採用率」にぜひ注目してみてください。