採用トレンド
2024.10.11 更新
【Z世代の特徴】仕事に対する価値観~20代筆者が紐解く~
「Z世代」と呼ばれる10代後半から20代後半の若者が社会で働き始めた現代。
新入社員や取引先などZ世代の若者と日々接する方々の中には、「最近の若者は何を考えているのか」「どう接していい分からない」など悩まれている方も多いのではないでしょうか。
次世代を担う若者を理解し上手く一緒に働くために、本記事ではZ世代の特徴と仕事に対する考え方について、人材業界を経験した20代筆者がリアルを元に紐解きます。
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・Z世代の仕事への考え方
・タイパ重視Z世代の仕事の探し方
・Z世代を採用するときのポイント
※恐れ入りますが、同業他社からの資料請求はご遠慮いただいております。
Z世代の特徴5つ
Z世代とはアメリカ発祥の世代分離で一般的に1990年代後半~2000年代に生まれた世代を指します。日本の世代分離においては「ゆとり/さとり世代」または「コロナ世代」が該当します。現在10代~20代後半のZ世代と上手く付き合うためにも、まずは特徴を把握しましょう。
特徴1:情報収集はSNSを活用
幼い頃からスマートフォンなど身近にデジタルツールが普及していたZ世代。
「分からないことはスグ調べる」「情報発信を積極的に行う」「オンライン上で友達と気軽にコミュニケーションをとる」などデジタルツールを当たり前のよう使いこなします。
また情報収集はテレビや新聞離れが顕著な世代で、WEBメディアを活用し自分が知りたい情報、好きな情報だけをピックアップする傾向にあります。
SNSや動画サイトは自分の興味・関心によって情報がパーソナライズ化されており、検索エンジン代わりに使用する若者も少なくありません。
SNSを通じて世界中の情報、トレンドを把握し、さらには現実では会ったことがない他者とネット上で交流を広げるのも特徴です。
特徴2:環境問題に関心がある
テレビや学校の授業をきっかけに環境問題に関心が高い世代です。
「エコバッグの使用」や「マイボトルの利用」など社会全体が近年エコ活動に力を入れている影響より、エコにフレンドリーな行動が日常化しています。
またSDGsという言葉が注目され始めたのもZ世代が環境問題に関心を寄せるきっかけとなっています。企業のSDGsへの取り組む姿勢が消費や就職先の志望度へ影響を及ぼしているのもZ世代の特徴と言えます。
特徴3:タイパ重視
Z世代を中心とする若者の間で「タイパ(タイムパフォーマンス)」という時間対効果を意味する言葉が流行っています。費やした時間に対する結果の満足度を表しており、短い時間で満足感を得られる商品やサービスを選ぶ傾向にあります。
<例えば…>
・1分以内のショート動画
・10分程度のファスト映画
・長尺動画の倍速視聴 など
ただ単に動画だけを見るのではなく何か他の事をしながら動画を視聴する「ながら視聴」も特徴といえます。情報が溢れた現代においてZ世代はいかに限りある時間を使い、効率よく情報を得られるかを重視しています。
特徴4:多様性を大事にする
Z世代は個性を大切にする傾向があります。世界中の情報にアクセスできるため様々な価値観や文化に触れる機会が多いです。
近年はLGBTQも注目され、性的少数者のカミングアウトや性被害を表明する運動など様々な議論を目にする機会も少なくありません。
人種や世代を超えた様々考え方や生き方に柔軟性をもち、他者の意見を受け入れる姿勢が自然と備わっています。
特徴5:コロナ渦で学生生活を過ごす
2020年初旬からコロナウィルスが流行し、社会生活に大きな影響を及ぼしました。Z世代は学生生活の大半をコロナウィルスと共に過ごし、対面からオンライン授業へ変化、修学旅行、運動会、文化祭などの学校行事は中止や規模の縮小などこれまでの学生生活とは異なる学生時代を過ごしています。
また日常生活においても行動制限や自粛生活など物理的に行動の範囲が狭まり、友達との交流機会も大きく減少しました。Z世代は憧れのキャンパスライフや旅行、留学など様々なことが制限された学生生活を送ってきました。
Z世代の理想の働き方について
先に述べたような特徴を持つZ世代は仕事に対してどんな価値観を持っているのでしょうか。理想の働き方を紐解いていきましょう。
誰と一緒に働くかを重視
Z世代は友人や仲間との連帯感を大切にしており、仕事環境においてもチームメンバーとの相性を重視する傾向にあります。その理由として、競争を避け「みんな一緒に、平等」という”ゆとり教育”を受けてきた背景があります。
一緒に働くのがどのような人達か、良好な人間関係が築けそうか、という観点で職場の雰囲気をチェックしています。
自由度の高い柔軟な働き方を求める
Z世代はプライベートと両立して働ける職場を理想と考える傾向にあります。
「残業が少ない」「有給がとりやすい」「週休3日制」など自分の時間を大切にしながら働けるかを重視しています。Z世代は仕事の為に働くというより自分の生活のために働くという考えが強く、私生活で得られる充実感や幸福感を追究します。
そのため定時やオフィスに拘束されるより柔軟な「フレックスタイム制」や「リモートワーク」など自分のペースに合わせられる働き方を求めています。
本業以外との両立を求める
「終身雇用」や「年功序列」といった考え方がなくなってきている現代において、転職や副業・複業で収入UPや経験やスキルの幅を広げたい考えるZ世代も少なくありません。本業をもちながら第二の活動でキャリアアップやスキルアップをめざす”パラレルキャリア”への関心も高い傾向にあります。パラレルキャリアとは別の企業でのWワークや自営業、ボランティア活動のような社会貢献など収入の有無を問わない活動のことです。転職の一般化などワークスタイルが多様化する現代において、1つの職場やこれまでの働き方に固執しない寛容な働き方が求められています。
希望の勤務地で働けるかを重視
「配属ガチャ」という言葉を耳にしたことはありませんか。
これは総合職採用で勤務地や職種が入社後に配属されるまで分からないことを指します。
近年、この入社後どこに配属されるか分からない「配属ガチャ」を敬遠する学生が増え、事前に配属が分からなければそもそもをエントリーをしない学生、内定時に希望に合った配属でなければ内定を辞退する学生も少なくありません。
職種や部署は勤務地ほどこだわりは強くないので、希望する勤務地で働ける環境かを重視しています。
社実施アンケート結果からも20代はタイパを重視すると判明
株式会社ノーザンライツで2024年9月に実施したアンケートからも、Z世代はタイパを重視しているとわかりました。
上記の結果から、自分の予定を重視しタイパ・コスパよくできる仕事を求めているとわかります。 また職場で働く人たちの雰囲気や安心感が得られるなど、心理的安全性も重視しているといえるでしょう。
Z世代と働く上でのポイント~Z世代の取扱説明書~
実際にZ世代と働いてる上で「どう接すればいいの?」「どんなことを考えているの?」と思う場面があると思います。ここからは20代筆者や社内のZ世代(23~25歳)の意見も交えつつZ世代と一緒に働くポイントを見ていきます。
プライベートトークには要注意!
Z世代は個人や家庭内の事情、個人の秘密など個人情報の取り扱いについて非常に慎重な考えを持っている人も多いです。デジタル時代の進化と共に生きてきたため個人情報の重要性を認識しています。自身のプライベートな情報の開示内容や範囲はZ世代も人により様々です。社内のZ世代にプライベートトークで可能な範囲を聞いてみました。
Aさん
「休みの日にどこに行くか趣味などプライベートは一切干渉しないでほしいです」
Cさん
「休みの日や趣味などプライベートな会話は全然構いませんが、SNSだけは誰にも公開したくありません!」
Bさん
「SNSは親しい間柄の方だけと交換しています。フォローはしませんが上司や先輩の名前をSNSを検索したことはあります」
Dさん
「会社の飲み会は好きなのでよく行きます!ただ毎日会社の人と飲み会はしんどいので週に1回ぐらいがいいです。」
このようにプライベートな内容について開示できる内容や範囲が人それぞれに異なります。
過剰にプライベートな内容に踏み込むことなく、配慮することが必要です。
当たり前を押し付けないでほしい!
情報社会のなかで多様な価値観に触れながら生きてきた世代です。
一人ひとりの価値観も一言で表すことはできず多岐にわたるため、その多様性を尊重し受け入れる姿勢が求められます。
これまで通用してきた「この会社ではこれが当たり前」という事柄に疑問を抱く人も少なくありません。
例えば「独特な社内共通言語で話される」「会社独自のルール」など。
意外と会社に長年いると当たり前になっていることが「実は…」ということもあるので意見を言いやすい環境を整えておくのも重要です。
職場の古いと感じること
世代によって常識や価値観が違うのでZ世代にとって職場のココが古いと感じる仕事の価値観もあります。これまでの職場の普通のやり方が、Z世代にとっては古い…と感じることもあります。
例えば…
・上司よりも先に帰ってはいけない
・新人は誰よりも一番早くに来る
・残業が長い人ほど頑張っている
・リモートワークを取り入れない
・入社後の研修内容が刷新されていない
・髪型や服装など規程がある
・社歴が長い人の意見が通りやすい など
これまでは「普通」であったことが「古い」と感じるZ世代もいるので、お互いに歩み寄る姿勢がポイントになりそうです。
理想の上司のサポート
Z世代へどのように教えていいのか、どうサポートすればいいのか悩まれている上司の方も多いのではないでしょうか。部下と良好な関係を構築しいい職場を作るためにZ世代が望むサポートについて紹介します。
・仕事上の注意やアドバイスは「理由」や「背景」も一緒に教えてほしい
・相談や悩み事など話をもっと聞いてほしい
・感情的にならず叱ってくれて、ほどよく褒めてほしい
・一定の裁量権を与えてくれ、見守りながらサポートしてほしい
理想のサポートは個人それぞれの側面もあるため一概には言えないため、どのようにサポートをしてほしいか個人の意見を交換する機会も重要です。
個々の価値観を尊重しながら一人ひとりに合わせたサポートをすることでより良い職場環境が築けるでしょう。
仕事の評価は明確に
年功序列の時代が長かったため「社歴が長い人が偉くて仕事ができる」といった風土が残っている会社も少なくありません。Z世代は職場での待遇は性別や年齢によらず公平な扱いを求める傾向にあります。
感情や社歴に基づいた評価ではなく、仕事の評価や昇進は合理的な決定を重視しています。明確な基準を明示し公平な決定を行うことがZ世代への納得感へ繋がります。
Z世代を採用するには…!?
Z世代を採用するにはどのようなポイントに気を付ける必要があるのでしょうか。
SNS・動画の活用しよう!
Z世代が情報源としているSNSで採用活動を行うことも1つの手段です。
情報が溢れた社会で生きている彼らは「リアルな情報」を好む傾向にあるのでただ単にスタッフ募集の投稿を行うだけでなく、自社の仕事紹介動画や社員インタビュー動画を公開したりするなど、よりリアルな情報を届ける投稿が必要です。
またSNSの特徴はそれぞれ異なり、登録しているユーザーの特徴も異なります。
自社のターゲットや伝えたい内容に合わせてどのSNSで何を伝えるのか、事前に定めた上で活用することが重要です。
情報をしっかり開示しよう!
Z世代は企業の情報の透明性を求める傾向があるため、採用情報や給与体系、キャリアパスなどについても積極的に情報を開示することが重要です。
透明性がある情報はZ世代へ企業の魅力を伝えるとともに信頼関係の構築にも繋がります。
情報を交換する場を持とう!
Z世代は先述しているようにリアルな情報を知りたいと思っているため、面接よりカジュアルな面談会を設定することで企業のリアルを伝えるとともに、Z世代の意見や考えを知ることができます。
面接のような堅い場面ではなく、よりフランクな雰囲気で相談しやすい場面を提供することでZ世代と企業の双方の理解を深めることができます。
【特集】注目される働き方DEI
近年DEI(Diversity Equity Inclusionの略称)と呼ばれる働き方が注目されています。
多様性とアイデンティティを尊重し、公平性を重視する働き方のことで、あらゆる個々人の違いを尊重し、個々が持つ能力を最大限発揮できる環境を整えることです。Z世代だけでなく個々人の属性や背景が違うことを理解し、必要な多様性を取り入れることが重要視されています。
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Z世代、みんな人それぞれ。
「Z世代は接し方が分からない」
「Z世代の育成方法やコミュニケーションの取り方が分からない」
このようなお悩みをもっている人事や採用担当、先輩社員の方も多いのではないでしょうか。
上記で述べたように”Z世代だから”と一括りで定義できる志向性や行動もあります。
しかし、今のZ世代はSNSなどで様々な価値観を目にしており個人によって考え方・価値観が大きく異なります。
「Z世代にこれまでのやり方が通じない」と行動を変えないまま接するのではなく、
「〇〇さんにはこのやり方」と個人に合わせて伝え方や教え方を変えてみることで、
上手くコミュニケーションがとれたり、個人の力を最大限発揮できると考えます。
本記事ではZ世代の取り扱いに悩む企業や採用担当者、先輩社員にZ世代の特徴や彼らの考え方を一般的な特徴と実際のインタビューも交えてご紹介してきました。
インタビューからも分かるように考え方や価値観は本当に人それぞれです。
本記事で紹介したZ世代の特徴、個人の考えを理解する重要性を今後のZ世代と接するうえで参考にしていただければと思います。