株式会社阪急阪神ホテルズ様は阪急阪神ホールディングスの連結子会社でホテルの運営を担う企業様です。同社の設立は1958年に設立され、数回の合併による商号変更を重ね2008年に現在の商号である株式会社阪急阪神ホテルズ(以下、阪急阪神ホテルズ社)という社名になりました。『心豊かな社会の実現に向けて』という企業理念のもと、同社は設立以来、その時代に適応したホテルを開業し日々施設を利用されるお客様に満足と感動を与えてきたことでホテル事業を拡大してきました。現在では国内において屈指のネットワークを誇るホテルグループとして成長を遂げています。
しかしながら事業拡大を続ける一方で、昨今の人材不足問題が業界内外問わず叫ばれる中、阪急阪神ホテルズ社も例に漏れず、慢性的な採用課題を抱えていました。
- ■社名
- 株式会社阪急阪神ホテルズ
- ■雇用形態
- アルバイト・パート
- ■業種
- ホテル運営・管理
- ■エリア
- 東京都・大阪府・兵庫県
- ■従業員数
- 1,755人
【課題感】アルバイト採用活動を再開するも、従来の採用手法だけでは人材獲得に苦戦。ピンポイントな採用ニーズに対し新たな採用手法の開発の必要に迫られる
そうした人材採用にまつわる課題の解消や、さらなる事業拡大を実現するために採用活動に取り組まれていた中で、2019年11月に大阪への観光や海外からのインバウンド需要に応えるために梅田の一等地に建った「ホテル阪急レスパイア大阪」での100人規模のオープニングスタッフの募集を契機にノーザンライツとの採用に関わる取り組みを開始しました。同施設でのノーザンライツ立案による採用支援活動が功を奏しオープンに必要な人材が充足したことから、コロナ禍によって新規人材募集のニーズがなくなってもなお、継続的にノーザンライツと接点を持ち続けることとなります。
2022年春頃にはコロナウイルスの感染拡大が落ち着きを見せはじめ、アルバイト人材の採用活動を本部主導で再開し母集団形成の最大化とコストの最適化、採用業務効率化をノーザンライツと共に取り組む中で成果も出てきていました。しかしながら採用困難な地域や職種、深夜や早朝の時間帯においてはコロナ禍以前の採用市場と同様に既存の求人メディアによる母集団形成が困難な状況が続いていました。
阪急阪神ホテルズ社の採用担当者である辻氏は次のように当時を振り返ります。「依然としてピンポイントでの人材不足は解消されておらず、改めて従来の採用手法に限界を感じました。慢性化していた採用課題を再認識したと同時に新たな採用手法を模索・検討する必要に迫られました。」
【課題解決・ソリューション】スポットワーカー活用への不安を感じつつも、タイミーを限定的に導入
旅行支援事業による宿泊需要の増加および、ピンポイントでの人材不足を解消に向けてノーザンライツは阪急阪神ホテルズ社に対しスキマバイトアプリ『タイミー』の導入を提案しました。しかしながらタイミーのスポットワークという特性上、スポットワーカーの属性や業務レベル、未教育人員への教育コストの増加、さらには労務管理上のハードルに対し懸念を抱かれていました。これらの懸念を背景にタイミー導入当初は「ホテル阪急レスパイア大阪」での旅行支援事業にまつわる簡単な書類整理や片付けなど、高度な接客スキルを必要としない職種の募集といった限定的なサービス利用にとどまりました。
しかし実際にタイミーを導入した同施設においては数多くの成果を上げることができたことから、ノーザンライツは本部に逐一成果事例を共有。ノーザンライツからの報告を受け、本部は社内のイントラネットにタイミーの成功事例を全施設に共有しました。本部が共有した情報を好意的に受け止めた施設においてはタイミーの活用が続々と開始しました。タイミーを導入した各施設のタイミーに対する2022年12月時点での評価は次のとおりです。
「タイミーから応募のあるスポットワーカーはすでに実務の経験をお持ちである場合も多く、他社で正社員として働く人材など即戦力となる人材が集まります。またリピートで働きに来てくれるワーカーも多いため教育の手間もほとんどありません」
こうした評判が社内全体に広まったことで、阪急阪神ホテルズ社の看板ホテルといっても遜色のない老舗ホテルである「大阪新阪急ホテル」や「ホテル阪急インターナショナル」、「第一ホテル東京」など関西圏・関東圏を問わず人材不足を抱える数多くの施設でタイミーの導入が進んでいきました。
【成果】タイミーで高度な接客スキルを持つ人材を安定的に確保
導入当初より高い成果を上げてきたタイミーは、2023年8月現在では主要施設において導入がなされています。
通常の求人メディアから集まる人材のスキルと同等もしくはそれ以上のスキルを持つ人材が容易にタイミーから集まるようになったことが、導入が加速した要因として挙げられます。辻氏はこのときの成果を次のように述べます。「元々は前述の通り高度な能力を伴わない職種のみで限定的にタイミーの活用を行っていました。しかし導入当初の期待を上回る成果が出たことで、より高度な接客や宴会での配膳、さらにはフロント業務などを任せることのできる求人募集を展開したところ、既存スタッフの業務スキルとそれほど差がない人材が集まり始めました。」
高度なスキルを持つ人材を確保できるようになったことに加え、従来より人材不足が顕著だった早朝や深夜の時間帯においてもタイミーから労働リソースを確保できるようになったことから、ホテルの繁閑によって一部で差が生じるものの正社員の労働負荷の低減も実現することに成功しました。
こうした成果を着々と挙げてきた同社では、接客を伴うレストランスタッフや宴会サービスでの活用頻度が高まっており、繁閑に応じたタイミーの運用も安定して各施設で行えています。現在ではタイミーの標準機能である『お気に入りリスト』を利活用して高度な人材や業務態度の良かったワーカーをグルーピングし、リピートワーカーの獲得にも成功しています。リピートワーカーの獲得メリットとして「すでに施設で働いたことのあるワーカーがリピートで同じ施設で勤務してくれるため、新たに人材を一から教育するといった教育が不要となりました。ですので、教育コストの低減は大きなメリットとして挙げられるかと思います。更にタイミーのお気に入りリスト機能を利活用することで、募集開始から10分ほどで求人枠が埋まってしまう職種や仕事も多数あるため、人材リソースの不足を高度なスキルを持ったリピートワーカーの方たちが補ってくれています。」と辻氏は述べます。
拠点によっては募集枠が100%埋まることもある同社では、人材獲得競争が激化する採用市場で安定的な労働リソースをタイミーによって確保できるようになりました。慢性的な人材不足が解消できたことでサービスクオリティの同質化や向上を起点とするさらなる事業拡大の実現に向けて着々と前進を始めました。
表面的な採用成功だけにとどまらない、期待を上回る効果
当初タイミーの導入にあたっては、当社のホテルにお越しいただく数多くのお客様に対し「サービスクオリティを本当に維持、向上させることができるのか」という点でネガティブなイメージを持っていました。これは私だけに限らず各施設の現場担当者も近い感覚にあったように思います。しかし実際に利用してみると、タイミーから当社の求人に応募いただく多くのワーカーは他社で働く実務経験を備えている会社員です。それに加えて、ワーカーと企業の双方向で評価し合う機能や、リピーター限定で求人を出すことができる機能など、我々が高度人材として定めている要件の『接客を伴う業務を遂行できる人材』を担保できる仕組みがタイミーにはあります。こうした仕組みが整っていることで、現場では問題なく運用できています。
また、受け入れ現場においても毎日のようにスポットワーカーを受け入れることとなるので、タイミーの副次的な効果として、これまであまりうまく整備できていなかった受け入れ態勢の整備が進められています。
ノーザンライツ社は長年アルバイト採用に特化してソリューション提供されてきたノウハウをお持ちであることから、採用市況や各施策に関する情報収集力をはじめ、定量的な分析もわかりやすいため納得感を持って採用活動の振り返りを行えています。当社の状況や課題感を丁寧に掴んでいただいた上で、タイミーに限らず多種多様なソリューションを的確にご提案いただけるので信頼感があり、何よりも「困り事があったら何でも相談できる、応えていただける」といった懐の深さや安心感があります。
今後はアルバイト採用だけでなく、中途採用などその他の採用領域においてもノウハウをお借りしながら新しい試みを共に取り組んでいただき当社の採用成功に伴奏いただければと思います。